自身のウェブサイトで記事を書くに際して著名な写真家が撮影した写真を使いたい場合、どうすればよいのでしょうか。
著作権法は、公表された著作物の「引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」と定めています(32条)。引用にあたっては、自身の記事と引用される写真が主と従の関係にある、引用する写真が自身の記事と明確に区別されている、引用元を明示する、写真を改変しない、などの点に注意する必要があります。
冒頭の事例で、引用の要件を満たすかが問題となった裁判例があります。東京地裁令和5年5月18日判決(判例タイムズ1525号244頁)は、本件ウェブページには、商業的価値が高い本件各写真がそれ自体独立して鑑賞の対象となる態様で大きく掲載されており、本件各写真のデジタルデータは、無断複製防止措置がされずインターネット上に相当広く複製等されている、として写真家による損害賠償請求を一部認めました。