ツイッター上のなりすまし被害

ツイッター上で自分の顔写真が添付された上で、俗悪なユーザー名でアカウント登録されていたような場合、なりすましの加害者(発信者)に対し、アカウントの削除や損害賠償を求めるにはどうすればよいのでしょうか。

東京地裁令和2年6月26日判決(判例タイムズ1492号219頁)は、高校3年生が上記のような被害に遭った事案において、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(通称「プロバイダ責任制限法」)に基づき、ツイッター社に対し、発信者のSMS方式による電子メールアドレスに当たる携帯電話番号を開示するよう命じました。

この事案では、顔写真の添付や俗悪なユーザー名の使用という悪質な態様が考慮され開示請求が認められましたが、「開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らか」(同法5条1項1号)という要件を満たす必要があり、そのハードルは低くありません。

インターネット上では、顔の見えない者同士による罵詈雑言、苛烈な表現が多々見受けられます。思わぬトラブルに巻き込まれないよう、節度をもってSNSを利用することが重要だと思います。