商品(製造物)の欠陥が原因で生命、身体又は財産に損害を被った場合、被害者は製造業者等に対して損害賠償を求めることができます。製造物の欠陥は3つに分類されます。1つ目は製造上の欠陥、2つ目は設計上の欠陥、これらは製造物自体に内在する欠陥といえます。3つ目として、製造物の危険性による事故を防止するための適切な情報が与えられなかった、いわゆる指示・警告上の欠陥があります。
自宅のリフォーム工事で設置された上げ下げロール網戸のコードが首に絡まって6歳の女児が死亡した件に関し、大阪高裁令和6年3月14日判決(判例タイムズ1528号65頁)は、欠陥を認めなかった原審判決を変更し、指示・警告上の欠陥を認めました。
その理由として、高裁判決は、安全対策が実行されていれば事故を防止する効果があるため設計上の欠陥があったとはいえないものの、安全対策が日常的かつ継続的に実行されるのに十分といえるだけの指示・警告がされていなかったと指摘しました。本件は上告されており、確定判断ではないものの、製造物の指示・警告上の欠陥について原審と結論を異にしており、注目すべき判断だと思われます。