昨年、大きな話題となった映画『国宝』。主人公「喜久雄」のモデルではないかとも言われるのが、女形歌舞伎俳優の人間国宝「坂東玉三郎」。玉三郎と長年の親交をもつ小説家が、その生涯をノンフィクション小説の形で描きます。
後半は、人生や芸に対する玉三郎の思想、哲学が語られます。「風」とは、世阿弥が『風姿花伝』で用いたことばで、猿楽の伝統を意味します。それは「手前味噌な流儀ではなく、伝統に則りながらも世阿弥が真理を追究し花にまで磨き上げた」もの。芸の本質に真摯に向き合い続ける玉三郎の覚悟を読むことができました。
